石鹸で化粧は落とせる?
ここのところ、患者さんから『洗顔は石鹸だけでいいのでしょうか?』という質問を受ける事が度々ありました。皆様、同じ番組を見ていらしたようです。残念ながら、私は実際の番組を見ていないので、どのような番組であったか把握できていません。
以前、ブログで書いたことがありますが、あざやしみに対してレーザー治療をする際、治療部位の化粧をふきとり用クレンジングシートで落とし、レーザーを照射したところ、レーザーを照射した瞬間の音が違うなと感じる時がありました。見た目にはファンデーションもしっかり落ちているのですが、再度クレンジングオイルとクレンジングフォームでその部位を落としてレーザーを照射してみるといつもの照射と変わらず終了。
何が違ったのかと疑問に思い、化粧をふき取り用のクレンジングシートと、クレンジングオイル、クレンジングフォームで落としたときの皮膚表面(頬)をクリニックにある肌測定器で拡大してみました。すると、クレンジングシートで落とした皮膚表面は化粧は落ちているのですが、皮溝(きめの溝)に日焼け止めやファンデーションが残っていたのです。
このような経験があるので、化粧の仕方にもよるとは思いますけど、石鹸だけでというのはさらに難しいのではないかと思うのですが・・・・、でももしかしたら落とせるのかも、と心配になったので、また肌測定器の登場!! 検証してみました。
日焼け止めのみ、しっかりメークなどいくつか検討してみました(実際の写真、ご覧下さいね)。
メークも落とせる洗顔用石鹸といわれているものを使ってみましたが、どれもファンデーションやチークの色が残ったり、日焼け止めのみでも目尻の部位などは、深めのしわに入り込んだサンスクリーン剤は残っています。クレンジングオイルとクレンジングフォームで洗顔をした方がきめが明瞭に映し出されています。
化粧の仕方にもよりますが、深いしわなどに入りこんだ場合など、石鹸のみできちんと落とすのは難しいようです。
今回の結果は結果ですが、洗顔、スキンケア、化粧をしたりする際、割に皮膚を強く擦っている方が多い印象があります。落とすのに懸命でゴシゴシと。クレンジングオイルやジェルなどはあくまでファンデーションなどを肌から浮かすもの、それを洗顔石鹸、フォームの泡で浮いたファンデーション、ジェル、オイルを吸着させ、ぬるま湯で洗い流す、この一連が洗顔です。ですので、その一連の流れでメイクなどが落ちれば良いのですから、グレンジングの段階で落とさなければとゴシゴシする必要はないのです。化粧水もコットンでつけるのはいいですが、量を十分つけていないと肌に化粧水がついた気がしなく、強めに肌にコットンを滑らせたりしてませんか?それならば、手でつけても私はいいと思います(私は手です)。皮膚を擦りすぎると、赤みやその後色素沈着となるのです。眼鏡をかけていると、鼻筋の金具が当たる部位に気づくと色素沈着になっていたり、花粉症の時、目がかゆくて掻いていると赤みや色素沈着がきますよね。日々の積み重ねがふと気づくと・・・ということになります。
落とす事も確かに重要ですが、見直してみる点は他にもありそうです。
クレンジング剤については、クリニックではオイルを使用しているので、今回はオイルクレンジングでしたが、また機会があればこの辺も検討してみようと思います。
10年2月22日 服部 英子
|
|
サンスクリーン+クリームF+パウダリーFDを固形石鹸のみで洗顔した場合。(FDがむらに残っている) | その後、クレンジングオイルとクレンジングフォームで洗顔。(残っていたFDもきれいにとれている。) |
|
|
サンスクリーンを固形石鹸で洗顔。(キメにサンスクリーンが残っている) | 中段右:その後クレンジングオイルとクレンジングフォームで洗顔。(残っていたFDもきれいにとれている。) |
|
|
下段左:サンスクリーン+スポッツカバー+パウダリーFDを固形石鹸で洗顔。(色素カメラで撮影。キメに残るFDが確認できる) | 下段右:その後クレンジングオイルとクレンジングフォームで洗顔。(残っていたFDもきれいにとれている。) |