子供の脱毛治療はいつからが適切?
昨日政府が公表した消費者白書で、昨年全国消費生活センターに寄せられた相談のうち、10代後半の男性の相談内容で、初めて脱毛剤に関するトラブルが最多になり、男性からの相談で美容分野が10位以内に入るのは初めてだったという記事を見ました。実際に相談内容別で、脱毛剤は15~29歳の男性で2600件。15~19歳に限ると1406件で最多となり、同年代の女性(184件)の約8倍と報告されています。
実際に患者さん特に親御さんから子供の脱毛はいつからできるのか?という質問を受けることもあります。早いと小学校前の年齢から考えていらっしゃることもあります。
私自身も記憶をたどると、小学校高学年の時に気になって、中学の時、親に内緒で薬局で除毛クリームを購入したことがあります。脇は服で隠れるので気になっていませんでしたが、特に腕(前腕)の毛が最初に気になったのを覚えています。私の場合は手の甲(手背)、指にも割と長めで密に毛が生えていたので、自分でも目に入ることが気になる要因だったと思います。毛の生える時期、太さ、量、毛の生える部位などは個人差が大きいです。実際小学校前に毛が少し目立つお子さんはいらっしゃいます。今は、男女問わず若年者、さらに親御さん世代も美容意識が高く、自分たちの経験からお子さんの悩みに共感する親御さんが多いと思います。さらにSNSなどで容易に美容情報を得られ、必然的に興味を持つ年齢も低年齢化し幅広くなります。
年齢に関係なく私が医療脱毛をお勧めするケース
① 毛が太く剃っても剃り口の毛穴が黒く目立つ為、抜いて処理をしている
→ 剃るよりも毛穴の炎症を起こしやすく、繰り返すことで毛穴の赤みや色素沈着が起こす
② 乾燥肌や湿疹、アトピー性皮膚炎など皮膚トラブルがある方
→ 剃ることで乾燥や湿疹などの皮膚症状が増悪する
③ 剃毛の頻度が多い方
→ 頻回に剃ることで肌トラブル(乾燥、湿疹、毛嚢炎、色素沈着など)を起こす
④ 髭、口周り、脇など一般的に他の部位に比べ毛が太く、密度もある部位
→ 毛が太く密度が多いため、上記①、③のような対処をとることが多いので、同様の肌トラブルを起こしやすい
⑤ 女性の方で生理中、ナプキンなどの影響で皮膚にトラブルが起こりやすい方
→ エチケット部位(V、I、Oライン)の毛がなくなることで、臭いや生理中の肌トラブルが軽減される
⑥ 男性で髭をカミソリなどで剃毛することで赤くなったり肌トラブルを起こす方
→ 剃毛する回数が減ることで肌トラブルが軽減される
⑦ 顔、臀部、背部など毛が多い、あるいは剃毛することでニキビや毛嚢炎が治りにくい場合
→ 医療脱毛で毛が減り、剃毛する機会が減る、なくなることで繰り返しにくくなったり、治りやすくなる
お子さんの医療脱毛を行うにあたり留意していただきたい事
① 思春期までは成長とともに毛も増えますので、思春期後に脱毛を行う場合より毛が減るまでに回数がかかる事がある。よって、治療期間、回数、治療料金が想定よりかかることがある。
→ 部位、毛の量、範囲、個人差によりますが、例えば脇の医療脱毛レーザーで行った場合、思春期以降は約6回程度でかなり減りますが、10回以上かかることもあります。
② 脱毛治療はある程度痛みを伴う治療となりますので、お子さん本人の治療への同意がないと継続が難しい
→ 脱毛治療には医療脱毛レーザー、光脱毛などさまざまあり、麻酔クリームを塗って痛みに対処することもできます。照射エネルギーを低くして痛みを軽減することはできますが、治療回数がかかることがあります。また痛みはトラウマになり、お子さんが大きくなった時脱毛治療に踏み出すことを躊躇してしまう懸念がある。
このニュースに添えられた除毛クリームによるかぶれた(接触性刺激性皮膚炎)写真を見ると、子供を持つ親として切なくなりましたし、情報が容易に得られる状況の中、私が子供の頃よりさまざまな事柄で子供たちが友人など同世代の子供と自分の事を比較してしまうことが多いのもわかります。脱毛治療は期間と金額を要しますので、親としてどこまで対応してあげるべきか迷うところです。
毛の状態は個人差もあり、ご本人の意見、ご家庭での考え方もさまざまです。脱毛で迷われていることがありましたら是非ご相談にご来院ください。